kitazato blog

卵子凍結タイミングと融解後生存率の相関

作成者: 内山 一男|2023年10月27日

こんにちは。北里コーポレーションの内山です。

北里コーポレーションの「北里」という社名の由来は、私たちの本社のある静岡県富士市の北側に富士山がそびえ立っており、大自然への敬意を表しながら、スタート地点を表す言葉として用いています。今回、北里コーポレーションのブログ「KITAZATO BLOG」初投稿となりますので、この新たなる出発にちなんで富士山の写真を掲載しました。

このブログでは生殖医療の治療現場での情報や知識を中心に、培養士の方々にお役に立てるコンテンツをご紹介していきたいと考えています。

さて、先日私たちは、ガラス化液の凍結融解の新製品の特長や、ラボスタッフの教育に関する内容で、加藤レディスクリニック 研究開発部 江副賢二先生、培養部 伊藤基樹先生に登壇いただき、ライブウェビナーを配信しました。オンデマンド配信を含めると、予想を遥かに上回る視聴や反響を頂き、大変感謝申し上げます。

ウェビナーの中でご紹介できなかった受講者の方々からの質問に対して、講師の先生より回答をいただきましたので、私の経験なども交えながらご紹介します。

卵子凍結の最適なタイミングとは?

 

融解後の卵子の生存率を向上させる3つのポイント

融解後の卵子の生存率を向上させる3つのポイントは下記と考えています。

 

以上、卵子凍結の技術的なポイントをかなり詳細にお示し頂きました。

北里コーポレーションのガラス化凍結融解キットをプロトコール通りに実施して頂けると、江副先生のポイントは全てカバーできると思います。

凍結のタイミング、融解後のICSIのタイミングを可視化する

凍結のベストなタイミング、融解後のICSIのタイミングとして、私は偏光顕微鏡 Polarizing microscopy (ポロスコープ)により紡錘体を可視化することで、卵子のエイジングを極力抑えることが可能であると考えています。

採卵直後であっても紡錘体可視卵子なら凍結できます。また、融解後30分程度の回復培養中であっても紡錘体の回復(可視)が確認できればICSIが可能となります。

スピンドルチェックの重要性とエイジング防止

採卵から凍結、融解からICSIまでの時間を、スピンドルチェックを行うことで極力短くすることにより、エイジングを回避して胚発生の向上が期待できると報告されています。

◇胚発生の向上が期待できる

ご質問は他にも頂いておりますが、また次回、ご紹介したいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。

卵子/胚ガラス化液 凍結液・融解液

VT525 凍結液

BS (Basic Solution) ×1
ES (Equilibration Solution) ×1
VS (Vitrification Solution) ×2 

VT526 融解液

TS (Thawing Solution) ×2
DS (Diluent Solution) ×1
WS (Washing Solution) ×1